ストレッチの種類
ストレッチには代表的な3つの種類があります。
☆バリスティック・ストレッチ (反動をつけて行う動的ストレッチ)
☆スタティック・ストレッチ (呼吸に合わせて行う静的ストレッチ)
☆PNF ストレッチ (2人1組で行い筋肉の特性を上手に利用して行うストレッチ)
バリスティック・ストレッチ (Ballistic Stretch)
このストレッチは昔から一般的に行われているやり方で、反動をつけて行うのが特徴です。
スポーツ前のウォーミング・アップに使われている最適のストレッチです。
注意事項として、、、
1、体が冷えている時は反動をつけすぎて事故(筋や腱の断裂または損傷)が起こることもあるので、いきなり行わないようにしましょう。特に冬の時期は気をつけましょう!
2、勢い良く反動をつけ過ぎると筋肉が伸張反射(注1)を引き起こしやすくなるので注意が必要になります。
ここ最近、一般の方々には「スタティック・ストレッチ」の普及が著しく、反動をつけるバリスティックはあまり用いられなくなっているのが実際のようです。
(注1)
筋肉には、伸びたり縮んだりした時の状態を感知するセンサーみたいなもの(筋紡錘と腱紡錘)があります。
筋肉が急激に引き伸ばされると、それをセンサーが感知して脳(中枢神経)に伝えます。
次に脳(中枢神経)では、筋肉の急激な伸張を察知し、瞬時に筋肉を収縮させる方向へと命令を出します。 このように急激に引き伸ばされた筋肉は収縮させるという”防衛反応”が起きます。
このような一連の反応のことを”伸張反射”といいます。
スタティック・ストレッチ (Static Stretch)
この”ストレッチ”は今から約25年前にアメリカ出身の体育学に長けた専門家(ボブ・アンダーソン氏)により開発されたもので、スポーツ界のみならず、今や一般生活の場においても広く普及しているストレッチとなっています。
スポーツの場面では主にクーリング・ダウンの時に使われています。
このストレッチは、ゆっくりと呼吸をしながら筋肉を伸ばす方法で、反動を使うことなく静かに筋肉を伸ばしていくところに特徴があります。
反動がつかない分、伸張反射も引き起しにくいため、痛みをともなうことも少なく手軽に行えるメリットがあります。
今や、「肩こり」 「腰痛」の防止にも応用でき、当院におきましても希望により「セルフ・ケア」のお勧めとして施療の後にお伝えしております。
PNFストレッチ(PNF Stretch)
まず、「PNF」とは
Proprioceptive(固有受容性感覚器)
Neuromuscular(神経-筋)
Facilitation(促通)
の頭文字をとったものです。
PNFストレッチは、1940年代にアメリカの神経生理学者によって理論が構築され、1950年代に同国の理学療法士により具体的な手技が確立されました。
当初より、身体のリハビリテーション分野において幅広く活用され、特にベトナム戦争において負傷した兵士のリハビリに応用された話は有名です。
今日では、スポーツ分野はもとより、一般的な身体のコンディショニング作りにも取り入れられるまでになっております。
PNFストレッチの原理は、筋肉の収縮の特性を応用しています。
筋肉は、使った直後に一番緩む特性を持っており、このストレッチはその特性を上手く利用して行います。
PNFは、人間の本来の動きである「対角・らせん」の動きに注目し「PNFパターン」と呼ばれ、身体の正中線に対して「対角・らせん」の運動をさせながら、そして時にはその運動に適度な抵抗を与え「筋肉」と「神経」に対して正しい動きを再教育させ体のバランスを整えていくストレッチといわれます。
2人1組で行うため、施術者の熟練が特に要求されるストレッチです。